ⓔコラム7-3-21 Helicobacter pyloriの除菌

 H. pyloriの除菌治療により,急性および慢性胃炎が治癒することや胃・十二指腸潰瘍の再発率が低下することが知られている.わが国における,H. pylori除菌1年後の胃潰瘍,十二指腸潰瘍の累積再発率は,除菌成功群で11%,6%であるのに対して,除菌不成功群では65%,85%と有意に高い1)H. pylori陽性胃MALTリンパ腫の60~80%は本菌の除菌によって,病理組織学的所見の改善,内視鏡的所見の改善,リンパ腫の寛解が得られる.また,H. pylori陽性ITPの約半数は,本菌の除菌によって血小板数の増加が得られる2).WHO/IARCは,胃癌予防におけるH. pylori除菌の有用性に関して2014年に報告した.同報告によると,世界の胃癌の78%がH. pylori感染に関係しており,本菌の除菌により胃癌発症を30~40%減少させることができるとされている.

〔沖本忠義・村上和成〕

■文献

  1. Asaka M, Kato M, et al: Follow-up survey of a large–scale multicenter, double-blind study of triple therapy with lansoprazole, amoxicillin, and clarithromycin for eradication of Helicobacter pylori in Japanese peptic ulcer patients. J Gastroenterol, 2003; 38: 339–347.

  2. 日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会編:H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版.先端医学社,2016.